大長今
脚本:キム・ヨンヒョン 演出:イ・ビョンフン
制作:MBC(韓国)2003年〜2004年
日本語版監修
朝倉敏夫(国立民族学博物館教授)
ジョン・キョンファ(朝鮮料理家)
寺澤捷年(千葉大学大学院)
主演:ソ・ジャングム(イ・ヨンエ CV生田智子)
ミン・ジョンホ(チ・ジニ CV井上倫宏)
チェ・グミン(ホン・リナ CV山像かおり)
王(イム・ホ CV菅生隆之)
チャングム子役(チョ・ジョンウン CV黒葛原未有)
ハン尚宮(ヤン・ミギョン CV小野洋子)
チェ尚宮(キョン・ミリ CV宮寺智子)
カン・ドック(イム・ヒョンシク CV佐々木梅治)
カン・ドック妻(クム・ボラ CVつかもと景子)
イ・ヨンセン(パク・ウネ CV八十川真由野)
2005/10/8
『チャングムの誓い 第1回』『大奥』がおもしろかったのなら、これなんかどうですか? なかんじなのか。韓国の女官もの時代劇。しかも+『美味しんぼ』=グルメ。そつがない(笑)。
とはいえ、『大奥』なみにテロップで全員の役名を表示してくださらないと、お衣装と髪形がみなさん同じなので区別がつきませんがな。――で。初回は「おいおい」だらけ。
序盤の主役らしいおっさん(なにしろ官吏らしいんだけど、役職も役名もおぼえられないまま、そして7年…されてしまった)(中盤で、なるほど〜彼がヒロインの父になる男なのだなとわかったけども)(笑)が狙った矢の的の大ざっぱさに「おいおい」。
彼が中宮を毒殺する現場に居合わせるはめになってしまい、懊悩したあげく山道から転げて。そこにいた見知らぬ老人に出された“薬”を、なんの疑いもなく飲むあたりまた「おいおい」(笑)。
とにかく序盤は彼が話を引くらしいので、興味はもっぱら彼に用意された〈運命の3人の女〉。おまえには運命の3人の女がいると、謎の老師に託宣されたおっさんの運命の女1は、毒殺された…けれども生きているのか? な中宮で。女2は“ふたり目の女は、おまえが命を救うが、おまえによって命を失う”みたいなことを言われていたのに、これがその女か? と思う女に出会いながら、彼、どうしようもなく彼女に魅かれてしまうんだけど。このあたり男が女によせる純情にうっとり(笑)。
その女2、宮廷内の陰謀をあばこうとしたあげくに毒殺されかけて。おっさんに助けられてようよう一命をとりとめたあと行く当てもなく旅立ったのに。おっさんたら彼女に影のようについていって、お金も持たない彼女に食事をさせてくれるように旅籠の女に頼んだり、先回りして彼女が渡る河に渡りやすいように石を並べていたり。「うわ、かわいい」(笑) 結局は惚れちゃったわけなので“私によって死ぬ運命でも、私とともに来ますか?”とか言って、彼女を妻にしちゃいました〜と(笑)。
ここでまた何年か経過して、終盤やっと、おっさんがタイトルロール・チャングムの父です、が描かれる展開。でもそうなれば女3はもう娘に決定だものなあ。初回でネタをすべてさらして、それでも残りを引いていけると思うすばらしさ。だってー、第3の女と第1の女は交錯するってことだったら、それはもう……(笑)。
いやいやしかし。ここはなんとか我が家の母の〈教えてあげる〉攻撃からは逃れないと。先の楽しみがなくなる(笑)。
それにしても、時代劇ならハングルじゃなくて漢字を使うんじゃ〜ん、ではあった。漢字で表記してくれたら、ものすごく近しい世界らしいものな、韓国って。
10/15
『チャングムの誓い 第2回』あらやだ。母、もう逝っちゃうの? だったり。その母を置いて“お母さん、これでお別れですね”で、娘あっさり行っちゃうですか? だったり。
相当に利発ではあるけども、まさか10才にもならないような娘が、身よりも後ろ盾もなくひとりで階級社会に出て成り上がっていく話だとは思わなかったので、びっくり。
ここからの子役さん編は、つらいかもなあ〜。かわいそうでダダ泣き、とか(笑)。
ものすご〜くしっかりしたお嬢チャンなので反対に、このクソガキ、になったりして…とも思いつつ(笑)。
10/22 第3回 ※多忙で録画、翌日視聴。感想なし。
10/29
『チャングムの誓い 第4回』ところで真面目に夜食なんか作ったのは他でもない、このドラマのせい。おなかが減るんである、紹介される料理がおいしそうで! 今日は泣きながら「それ、とこぶし? 朝からとこぶし?」(笑)
そんなわけで、いつまで子役さん編が続くのか戦々恐々。こう毎回泣かされちゃたまらん(笑)。いや笑い事じゃないんだけど。今日なんかもう最初から最後までダダ泣きで、ごみ箱ティッシュの山ですがな。
“悪いのは私です!”で、ふたり分のお仕置き、ダダー。
女官の試験を受けたいなら夜通し水桶を持って立ってなさい! ダダー。
いじわるな試問にちゃきちゃき答える姿にダダー。
雨の中、一所懸命ひとりで皿洗いをする姿に、ダダー。
際限なし(笑)。
はぁ…、疲れた。
11/5
『チャングムの誓い 第5回』今回は最初に、生真面目すぎてうまく立ち回れず、いつも仲間にねたまれ、つらい目を見るチャングムに「あなたってばっ」とツツツーっと泣いて。あとは宮中の権力争いに「へえ〜」。
病で職を辞すことになった前の水剌間(スラッカン=厨房)最高尚宮(チェゴサングン=王宮つき料理長)に代わって、ただの人形として料理長の座を得た雌伏何年…というチョン尚宮が、お飾りでラクに生きるより信頼する後輩のために権力に対抗する道を選んで。料理というものは調理の腕に差はあっても、味覚に差はない。これからは共に切磋琢磨していこう…と幼い子ども達にもぶちあげるあたり「おおっ!」。
楽しかった子役さん編が唐突に終わって、ヒロインが18才になってしまったけど、まだおもしろそう。よかった。
しかしこのドラマ、ロケは一気にするのか、いっつも雨だな。キャメラには映らないように相当光を当てているようだけど。お衣装が濡れちゃってるものなあ。
「やだ、お膳に雨がああああ」
このドラマを見ていると、ものすごく食い意地がはった人間に変身する(笑)。
11/12
『チャングムの誓い 第6回』子役さん編は終わってしまったけども、お料理の英才教育を受けた権力筋の少女クミンが、チャングムにとても公正に接してくれる同僚になっていたのは、ちょっとうれしかった。それってつまり、波乱は他でわんさか起きるということでしょ? と(笑)。
思ったとおり、さっそくに友情から宮廷を抜けだすような勝手なことをやらかす展開になり、なにやらわけありなハンサムと出会ったチャングム。しっかりガラスの靴ならぬ印籠(ノリゲという家風を代々受け継ぐ装身具ならしい)を落としてきているあたりにも「ぷぷ」。
今日は、これから料理するためにツブス鳥を抱えて走るチャングムにうぷうぷしながら、エビと春雨の韓国風サラダの夜食を食べた、小さな白い鳥が家族にいるわたくし。
11/19
『チャングムの誓い 第7回』すごいなあ〜、さすが1年もの…と思う陰謀うず巻く政治絵巻。とはいえエピソードがぜ〜んぶ一様なのはつまらんなあ〜。権力に逆らうのは毎度、一途なチャングムに触発されたアウトロー。
でもまあ、己の道を行く自由人は、損得考えずに気に入った人間の味方になる、というのは納得できる人間像なので文句は…ない。
規律破りで宮廷から追放! という裁定を上司の温情でまぬがれ、厨房から3年間の畑仕事担当に追いやられたはずのチャングムが、たったの1話で職場復帰というのには、それでも「浅〜い」とうなってしまうけど(笑)。
11/26
『チャングムの誓い 第8回』いやしかし。わたしってばいったい何時間ボロボロ泣いてんでしょ…だった今日のこの連続展開(笑)。
※前がTOKIOの山口達也さんご出演の
『女の一代記・杉村春子』
試験準備に出遅れたチャングムをなんとか助けようとする友人達や養い親のシーン。どれほどチャングムを思っていても不正はできない生真面目な自分をわかっておくれ、と苦しむ上司。
試験材料の、当時は貴重だったらしい小麦粉を盗まれたチャングムが、その理由が幼いお針子が宮廷を病で去る2度と会えない母のために料理を作りたいからだったと知って、自分が試験に失格して追放されるかもしれないと思いながら、それを手伝ってしまうシーン。
冒頭でチャングムが運命の男ミン・ジョンホと再会しているのに、そのあたりは「ふ〜ん」と流してあとは泣きっぱなし。
やっぱりわたしの人生背景には恋愛向けなナニカが欠けるらしい(笑)。
料理の腕は試験官に絶賛されたのに、作りあげた小麦粉の皮なしの万頭が試験基準を満たしていないとして試験に落第して宮廷放逐が決まったチャングム。
待て次回! の巻(笑)。
12/3
サッカーJ1、最終節vs川崎戦で、やっと
ガンバ大阪 リーグ戦優勝 !!
追っかけ13年。ついに……ついに……。本気で涙にくれてみた。
来年からはもう夏場冬場の気候が老体にひびく試合観戦に出向くのはやめよう、と決めていて。この等々力が最後。松波選手も引退するしなあ。
『チャングムの誓い 第9回』こうなると、人物造型が甘いのが韓国ドラマの特徴なのか? と言わざるをえまい…の回。視聴者の反応いかんでいくらでも脚本を変えるそうだから、その点でもエピソード重視な国民性なんだろうと推測するけども。先の山田さん調とはやっぱり対極。
※前が山田太一さん脚本の
『終わりに見た街』
ついに女官に昇格したチャングム。試験内容は料理の腕前と知識。と、いうことは。試験を通った女官は料理番として、もう相当な腕があると思うじゃないですか。それなのに今さら、火のそばにザルを置いたり、青菜をゆがくのに塩も使わなかったり……。
視聴者にもわかりやすい失敗エピソードを、ということなんだろうけど、視聴者をバカにするにもほどがある!
これで今回のメイン、倒れた尚宮達に代わって、成り行きから初めて王に出す料理・冷麺を作ることになりました編の着地点が、次回、里山からくんできたわき水のミネラル分のおかげです! なんていうことになったら、10回目でもういいや…になりそうなので、少しは手ごたえのある料理のうんちくも盛りこんでいてくださいますように。
別に、うんちくだらけでうんざりした『美味しんぼ』調を期待して見始めたわけじゃないんだけど。
12/10 第10回 ※多忙につき感想なし。
今日はいっぱい見たいものあって。久々に楽しそうなのになあテレビ。
ちなみに――
『スタジオパーク・滝沢秀明』『野ブタ。番宣』『クライマーズハイ』『野ブタ。をプロデュース』『逃亡者・木島丈一郎』『チャングムの誓い』。これ全部、録画。とほほほほ(涙)。
では、あまりに長尺で、データが飛んだら憤死しそうなので(笑)2に続きます。